乗り物スポーツのターン前半で地面と乗り物の間の圧力を高くしておきたい。重力によって加速する方向と圧力を得るために雪面を押した反力によって重心が加速する方向が同じなので、特にターン前半局面は雪面と乗り物の間の圧力を高く保ちにくい。それを高く保つためにどのようにしたら良いのか考える。まずは、ターン前半に限らずターンのすべての局面に一般化して考える。
かなり悪い条件で、必要に迫られてEnd of turn, start of turn 両方とも高くするためには、ターン切替時にも体重の2倍程度以上の圧力で押せてなければいけないし、それはターン中すべて体重の2倍以上のちからで押せている前提である。ではそのような状態をどのように実現すればよいのか?
遠心力を強くしておく。だいたいSLスキーを使うなら、ワールドカップ基準でちょっときつめのゲートをギリギリずらさないで滑るぐらいの圧力がほしい。だいたい5Gぐらいである。 足の感覚はブーツのバックサポートよりも前傾側に少し圧力がある状態で踏み込んで、足首を全く底屈しなくてもかかとにすべての圧力がかかり、プレッシャーマップのかかとが真っ黒になるぐらいである。きつく締めたパワーベルトに体重がかかってブーツの横剛性が足りなくなって変形しているのがわかる。それをtopple で解消することで、toppleが80以上になってしまうぐらい。GS だとちょっと大きな中周りでR35でもずらさずに板が曲がってくるぐらいの圧力である。
それぐらいの圧力がかかっているとして、瞬間的にターン中盤のみそれを実現するのではなく、ターン始動時にエッジがターン中に要求される深さまでトップを踏むことで雪面に嵌入していった結果、そのようなプレッシャーマップが出力されることを目指す。ターン始動時で体重の2倍はかける。 硬い雪面でも5mm 春の雪なら4cm ぐらい垂直に沈んでからtoppleに切り替えてトップをしならせながらスケーティングで加速。加速させるときにはインラインで本気で踏み込むぐらいの力で踏み込む。体重の2.5倍ぐらい。ここで大事なのは大腿四頭筋が緊張するならその分足首をアキレス腱をつかってもいいので背屈してつま先に体重をかけて大腿四頭筋の緊張を抜くことである。足の縦アーチを高くしたまま第2バックルを押し上げるようにスネを前に倒しても良い。陸上で走ってから急停止するときのようにスケーティングの始動時に大腿四頭筋が緊張しないように練習しておくべき。その一つの手段として足首の背屈がある。陸上での歩行の推進時に大腿四頭筋が緊張しているのは論外なのでそれもできないなら、まず歩き方から練習する。 十分にフォールライン下方向に重心が移動するならば、いくら押してもロールしすぎることはないので、ターン始動時からフルパワーで踏み込む事が可能になる。
ターン前半30%が過ぎたら、すぐさま踵後端に加重中心を移動する。 ブーツの前傾角度に合わせた力の伝達をする。実際にはそれよりも前にたおしてスキーのテールを足場に重心を前に運ぶ。そのときに太もも内側の筋肉を外よりも優先して使う。ここで腰が丸まっていると、次に腹筋をつかって重心を前に運べなくなる。
ここからずらしたければ、踵加重のままさらにももの後ろを緊張させてスキーのテールを蹴り切る。
ターンマックスに来る前にバックサポートを使ってもいいのでスキーの中心よりも重心をできるだけ谷に持ってくる。膝が全部伸展しても、スキーのテールが食いついて、開放されたらスキーが推進してくる状態ならつんのめってもブーツと股関節の距離を短くすればスキーは前に来るので回復可能であるから、ここでは思い切り重心をフォールライン下に落とす。
ターン後半はずれないようにロール角を起こす方向に足を縮めたりしてクロスオーバーしにいく。ターンマックスでは5gで踏んでも問題ない場合が多いけど、ターン60-90%まではエッジグリップが足りなくなるので、ロール角を少なくしてからずれないようにポンピングする方向や量を調整することを考える。
エッジグリップが足りているならポンピングしていく。だいたいターン90%からポンピングすると思い切り次のターンに向かって飛んでも雪面に張り付いたままになる。荒れた雪面でもend of turn も90を超えてくる。
あれた場合は雪面に張り付く力が安定感に直結するので end of turnを高くする練習をこのようにしてほしい。これはプルークでゆっくりやるのが有効である。
カーブで正確にキャリブレーションしているひつようがあり、滑走によってバックルの締める位置を替えているようでは、悪い場合では70%ぐらいまでしか数値が上がらないと思う。
タメとはその時点の姿勢から任意の仕事がどれだけできる余地がある程度のことである。 関節の可動域、関節の角度と動かす物体の重さによって決まる出力できるトルク、動かしたい方向がタメを計算する関数の引数である。
タメがあれば、任意に発揮できる力が多くなる。 十分にピッチングダウンしておけば、ピッチングアップする方向へのタメが大きくなる。ピッチングアップするためにはトップを雪面に押し付けて、その反力によってピッチングアップする必要がある。したがって、ターン前半で圧力がほしい局面が来る前に十分にピッチングダウンしておく必要がある。それはターン切替時にピッチングダウン角速度が最大になるように前のターン後半で角加速度を大きくする必要があることを意味する。