ローテーションとはなんだろう。
回すな 回っている そう言われたことはありませんか?なんでそれが悪いし下手に見えるんでしょう?
一般的に板と体の鉛直基準のヨーイング角速度を比較したときに、ターン後半で体のヨーイング角速度が板のヨーイング角速度より大きくなることをローテーションと定義している。
この定義であると、ターン前半の定義ができない 。
常にスキーの前後方向に対して正対して滑っていれば、外向も内向もしないので体とスキーのヨーイング角度が同じである。よってローテーションはしない。だが、外向したあと正対に持っていく過程で体のヨーイング角速度がスキーよりも大きくなるのでそれがどのタイミングで行われるのかによってローテーションするかしないかが決まりそうである。 では、外向する必要があるのはなぜか?それはスキーの進行方向とライダーの重心の移動方向もしくは重心に働く加速度方向が違うからである。人間は前後方向に移動しやすく、集中力も左右よりは前に発揮されるので体にかかる加速度の方向に体を向けたい。
ここまで考えると、ローテーションとは上体のヨーイングモーメントを利用してスキーをヨーイングさせた結果、上体の前方が重心の移動方向または加速方向と平行でない方向に向いてしまうことのうち、ターンの回転方向と同一方向に正常な状態よりも過剰に向いてしまった場合を指すと定義すると良さそうだとわかる。 ターンの回転方向と逆に向いてしまった場合は、外向過剰であると一般的に言われていると思う。 この定義になると、ターン後半のみとか谷回りのみとか位相を限定せずに定義できる。また、間違って上体を外向or内向しすぎたとしてもローテーションだと定義すれば、一般化して使いやすそうではある。 この定義にも問題が合って、角速度だけ正しくてもライダーの角運動量とスキーの角運動量が一致しておらず、その不一致を解消するためにカービングではなくなってしまう場合がある。 なので、最もうまくいきそうな定義は、「ライダーが設定する任意のスキーの運動から逸脱する角運動量をスキーに与えること」をローテーションと定義することである。 このときに対象の角運動量を鉛直に対してのヨーイングか雪面に垂直に対してなのかの2つの見解がありえる。
最速で進むためにスキーに雪面に対するヨーイング角運動量を与える必要がある場合がある。例えばスケートボードのポンピングのような場合、胴体基準のヨーイング角運動量を人体で発生させてそれを実現する場合が考えられるが、それは理想ではない。 乗り物のヨーイングのために人体で角運動量を発生させなければならない場合、かつ胴体基準でピッチング方向以外でそれを獲得した場合もローテーションと定義してうまくいきそうであるが、こちらは別の単語で定義したほうが良さそうである。
ターン後半内向して滑る用に見えるワールドカップに出ているアルペンレーサーはいるんだけど、よく見ると正対までで腰はそれ以上閉じてはいない。ターン後半でローテーションしてはいないのだ。モーグルだろうがパウダーだろうがダウンヒルレースだろうが、クロカンだろうがローテーションは良くないと自分では結論づけている。なぜなら、ヨーイングは正常系においては加重中心の移動で行うべきであり、そう目標設定しないと靭帯がもたないから。